森の神 vol.01 写真展 十和田市の巨木 |
期日:6月4日(土)より(途中で展示内容を更新する場合があります)
会場:NPO法人十和田奥入瀬郷(くに)づくり大学センター内
十和田市大字奥瀬字小沢口95−1 tel:0176−74ー1770
102号線沿い、道の駅手前右側 http://www6.ocn.ne.jp/~npo-home/
十和田市には5000本を超える巨木が存在します。全国でも突出した本数で、この中には日本最大級の巨木が何本も含まれています。これらは東北巨木調査研究会会長の高渕英夫氏の発見によるもので、私は彼に同行してそれらの巨木を撮影してきました。南八甲田の山間に、あるいは人里にひっそりと、そして堂々と屹立するその姿に出会うたび、ことばでは言い表せないほどの深い魅力を感じます。
時代を超えて生き抜き、そしていつかは朽ちて倒れていく・・
倒れてもなお数多の命を育み続ける森の神たち・・。
これを機会に、十和田の巨木の魅力にふれていただけると幸いです。
「森の神」
幹周り6.01m 樹高30.2m 推定樹齢400年 単幹(一本木)としては日本一のブナとして全国に紹介されています。2009年日本樹木医会より「健康優良樹」の認定を受けました(国内のブナで唯一)。
私は全国巨樹・巨木林の会会員として2003年から十和田市を中心に県内の巨木を調査してきました。2007年8月、市内奥瀬の志田芳男さん(当時76歳で現役の樵)から、この木に案内され幹が途中から三本に分かれているために神様の木(全国的には三頭木と呼ばれる)として伐られずに残されてきた貴重な木であることを教えていただきました。
周囲の木が伐採された後に成長した二次林になっており、この木だけが突出して大きいことから志田さんの言葉が理解できました。同年8月17日の東奥日報夕刊一面に「森の神いのち堂々、国内最大級のブナ確認」と掲載していただきました。同年10月環境省から委託された巨樹調査員をこの木に案内し今まで日本一だった福島県北塩原村の一本木のブナ(幹周り5.8m)を抜き日本一であると認定していただき10月29日の東奥日報朝刊に日本一の認定を受けたことが掲載されました。
マスコミやインターネット等で日本一のブナが十和田市から発見されたことが全国に広まり多数の見学者が訪れるようになり根元の踏みつけによる、この木の衰弱が懸念されるようになりました。2008年私も会員である十和田市文化財保護協会から、この木の所有者である三八上北森林管理署、国立公園の中にあることから環境省に保護柵設置許可願いを提出し、三者の合同調査後直ぐに認可がおり10月に15団体55名が参加して保護柵が設置されました。
その後も見学者が増え続けることから保護柵をもっと広げるべきだととの意見が多数あり、再度関係省庁にお願いして2011年5月樹冠いっぱいまでロープで保護柵の拡張が行なわれました。保護柵拡張によりこの木の保護はもとより見学者を落枝事故等から守る働きもしてくれるのではと期待しております。クマもでる所です。安全面に充分配慮されて見学されることを御願い致します。
東北巨木調査研究会会長 高渕英夫
〔高渕氏プロフィル〕
十和田市在住。全国巨樹・巨木林の会会員、日本北方圏域文化研究会会員、十和田市文化財保護協会会員、十和田市生活環境保全審議会委員、NPO法人十和田奥入瀬郷づくり大学文化観光学部主任研究員、NPO法人どんぐりの森山楽校理事
ブログ:十和田の熊どんぐり日記 http://blogs.yahoo.co.jp/towadanokuma
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